イギリス移住・駐在の準備は、手続きを片っ端から済ませるより、「今ないと次に進めないもの」から順番に作る方が失敗しにくいです。2026年の英国はイービザ中心になり、イングランドの賃貸制度も変わっています。古いチェックリストをそのまま使わず、今の制度に合わせて進めましょう。
結論:この4段階で進めればOK
日本にいる間|イービザと到着初日の生活手段を確認
2026年7月以降、英国は新規ビザ申請者へのビニェット(パスポート貼付型のビザ)の発行を原則終了し、イービザ中心の仕組みになっています。出発前にUKVIアカウントへログインし、イービザの氏名・在留資格・パスポート番号が正しいかを確認してください。
同時に、到着当日に必要な3つだけ先に準備します。
- 支払い:海外利用できるカード+英ポンドへ両替できる手段
- 通信:空港到着直後に使えるeSIMなど
- 滞在先:本契約の家がない場合は1〜3週間程度の仮住まい
→ イギリス渡英前のお金の準備
→ イギリス到着直後のSIM・eSIM
→ 家が決まるまでの仮住まい
荷物を別送するならToR1は発送前に
日本から家財を船便・航空便などで送る場合は、ToR(転居者向け免税制度)の対象になるかを確認します。通常は英国へ生活の本拠を移す人が、条件を満たした私物を関税・VAT(付加価値税)なしで持ち込める制度です。
一般的なToRでは、英国へ移る前に英国外へ12か月以上居住し、原則として6か月以上所有・使用した品を、移住後12か月以内に輸入することなどが条件です。別送品は発送前にToR1の承認番号を取ると手続きがスムーズです。
到着直後|まず通信、次に家探し
到着初日に優先するのは銀行口座ではありません。ホテルや短期滞在先でも使えるスマホ通信を確保し、内見・勤務先・大学への移動を始めます。
イングランドで家を借りる場合はライト・トゥ・レントの確認があります。イービザを持つ日本人は、通常は英国内務省のオンラインサービスからライト・トゥ・レント用のシェアコードを発行して家主・仲介業者へ渡します。
英国の住所が決まったら|銀行・住所証明を一気に作る
家が決まると、英国生活の手続きが一気に進みます。最初の英国の銀行口座を作り、カウンシルタックスや公共料金を自分名義にすると、その後の住所証明も作りやすくなります。
ここで重要なのは、「英国の住所が必要」と「カウンシルタックスの請求書のような住所証明が最初から必須」は同じではないこと。Monzo、Lloyds、Starlingなどは確認方法が異なり、渡英直後でも進めやすい口座があります。
→ 渡英直後に開設しやすい銀行口座
→ イギリスの住所証明の作り方
家が決まったら|ブロードバンドとGP登録
自宅インターネットは住所ごとに利用できる回線が違うため、物件が決まる前に契約先を固定しない方が安全です。Ofcomの確認ツールや比較サイトで、住所・速度・契約期間・途中解約料を確認します。
イングランドではGP登録にID、住所証明、在留資格、NHS番号は必須ではありません。体調を崩してから探すより、住居が決まった段階で近所のGP(かかりつけ医)の診療所に登録しておくと安心です。
→ イギリスのブロードバンドの選び方
→ GP・NHSの登録方法
働く人|NI番号がなくても仕事は始められる
国民保険番号(NI番号)をまだ持っていなくても、ライト・トゥ・ワークを証明できれば仕事を始められます。英国で初めて働きP45がない場合は、雇用主が正しい税コードを設定するためHMRCのスターター・チェックリストを使います。
ここは急いで単独記事を読む必要はありません。勤務先のHRから案内されることが多いため、このUKガイドではまず住居・銀行・通信を優先します。
生活が落ち着いたら|「作れるもの」から「お得なもの」へ
給与が入り、カウンシルタックス・ブロードバンド・光熱費などのダイレクトデビットが動き始めると、英国の銀行特典を本格的に使えるようになります。Chaseのキャッシュバック、Nationwideの入金・ダイレクトデビット特典、Santander Edgeの生活関連固定費のキャッシュバック、期間限定口座乗り換えボーナスなどを比較する段階です。
海外送金も、最初の緊急送金ではなく、日本円→英ポンドの受取額を比較して最適化します。
→ 生活が落ち着いた後のお得な銀行口座
→ 日本からイギリスへの海外送金比較
最初の1か月で「後回しでいいこと」も知っておく
渡英直後は、やることを増やしすぎない方がうまくいきます。次の項目は、生活が動き始めてからで十分です。
| 後回しでいいこと | いつ考える? | 理由 |
|---|---|---|
| 高還元の銀行口座 | 給与・ダイレクトデビットが整ってから | 特典条件を満たしやすくなる |
| 長期SIM契約 | 自宅・職場の通信エリアを確認してから | 回線相性を見て選べる |
| 長期ブロードバンド | 本住所が確定してから | 住所ごとに使える回線が違う |
| 口座乗り換えボーナス | 英国口座を1つ持ってから | 既存口座からの乗り換えが条件になる |
最初の1か月は、通信・住居・銀行・医療の入口を作ることに集中すれば十分です。
最初の1か月に必要なお金をざっくり見積もる
渡英直後に最も大きい支出は、仮住まいと長期賃貸の初期費用です。2026年8月のONS統計では英国全体の平均家賃は月£1,400、イングランドは£1,459、ロンドンは£2,332でした。ロンドンで月£2,000の物件を借りるなら、1か月分の家賃£2,000に加え、賃貸デポジットは5週間分で約£2,308。これだけで約£4,308動きます。
さらに仮住まい、食費、交通費、家具・寝具を考えると、到着直後は数千ポンド単位の支出になります。そのため、渡英前に「全財産を両替する」のではなく、最初の1か月を動かせる資金と、家が決まった時に払う資金を分けて準備する方が管理しやすいです。
| 支出 | 具体例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 仮住まい | ロンドンのホテルは1泊£100台になることも多い | 1〜2週間+キャンセル可能を優先 |
| 長期賃貸 | 月£2,000なら家賃+5週デポジット約£4,308 | 契約直前に送金できる状態に |
| 通信 | SMARTY 20GB £9、giffgaff 20GB £10 | 最初は月単位で十分 |
| ブロードバンド | Plusnet 145Mbps £22.99/月など | 住所確定後に比較 |
よくある質問
全部の手続きを渡英前に終わらせるべきですか?
いいえ。通常の英国の銀行口座やブロードバンドは英国の住所が決まった後の方が進めやすいです。渡英前はイービザ・お金・通信・荷物・仮住まいまでで十分です。
最初から一番お得な銀行やSIMを選ぶべきですか?
おすすめしません。住所・英国番号・ダイレクトデビット・クレジットヒストリーなどが揃うと選択肢が増えます。最初は生活を動かし、後から乗り換える方が合理的です。
生活の準備ができたら、お金の選択肢を広げよう
到着直後に必要な契約を済ませてから、カード・投資・海外送金を目的別に選べます。

