日本からイギリスへ引っ越すときは、荷物を全部同じ方法で送る必要はありません。到着初日から必要な物・数箱の別送品・家具を含む家財に分けると、費用と手間を抑えやすくなります。
結論:荷物量で3つに分ける
| 荷物量 | 向く方法 | 候補 | |
|---|---|---|---|
| スーツケース+数箱 | 受託手荷物+別送 | Send My Bag等 | |
| 10箱前後 | 海外引越し・箱単位の海外配送 | Seven Seas等 | |
| 家具・家財一式 | 国際引越し会社 | 複数社見積もり | 見積もり比較 |
まずToR(転居者向け免税制度)を確認
英国へ生活の本拠を移す人は、条件を満たせば私物・家財を関税やVAT(付加価値税)なしで輸入できるToR(転居者向け免税制度)を使える場合があります。
通常の移住者は、主に次の条件を確認します。
- 英国へ移る前に英国外へ12か月以上連続で居住していた
- 対象品を原則として6か月以上所有・使用していた
- 英国へ住み始めてから12か月以内に輸入する
- 輸入後も同じ用途で使う
別送品を送る場合は、発送前にToR1を申請し、HMRCの固有の承認番号を引越し会社・配送業者へ渡します。
ToR1は英国の住所が未確定でも申請できる
「まだ英国の本住所がないからToR1を出せない」と思いがちですが、HMRCは英国の住所が未確定の場合、滞在予定者の申告書+住所証明や、ホテル予約など仮住まいの証拠を受け付けています。
ToR1には、持ち込む品のリスト、パスポート、英国側と日本側の住所証明などを用意します。品物は「衣類13点」「本110冊」などのグループ記載でよく、1点ずつ写真を出す必要はありません。
学生はToR1が不要なケースがある
フルタイムの学校・大学等へ留学する学生には別の免税措置があります。対象となる衣類、学用品、家財については、通常のToR1を提出せず、通関時に在学期間の証明を使う仕組みがあります。
留学後に英国を通常の居住地に変える場合は、卒業後に通常のToR(転居者向け免税制度)を申請できる場合があります。
家具を送るなら1社だけで決めない
国際引越しの料金は、荷物の体積、集荷地域、英国側の住所、船便・航空便、繁忙期などで大きく変わります。家財一式なら、同条件で2〜3社から見積もりを取る方が相場を把握しやすいです。
Sirelo
複数の国際引越し会社へ見積もり依頼を出せる比較サービス。大型引越しの相場確認に向きます。
送らない方がいい物もある
ToR(転居者向け免税制度)の対象外になる代表例は酒類とたばこです。また食品、植物、動物、危険物などには別の輸入制限があります。日本の引越し感覚で段ボールへ詰める前に、配送会社の禁止品とGOV.UKを確認してください。
高価な家電は、英国の230V・タイプGプラグで使えるかも確認します。大型家具は配送費より現地購入の方が安いこともあります。
発送までの順番
- 手荷物・別送・国際引越しに分類
- ToR(転居者向け免税制度)の対象条件を確認
- ToR1を申請して承認番号を取得
- 配送会社・引越し会社を比較
- 到着直後に使う物は絶対に別送しない
配送方法のメリット・デメリットを比較
| 方法 | メリット | デメリット | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 受託手荷物を追加 | 到着と同時に受け取れる | 重量・個数制限が厳しい | 荷物が少ない人 |
| 箱単位の海外配送 | 数箱だけ送りやすい | 大型家具には向かない | 留学・単身赴任 |
| 国際引越し会社 | 梱包・通関まで任せやすい | 費用が高くなりやすい | 家族・家財一式 |
見積もりは「総額」と「含まれる作業」で比べる
国際引越しは、最初の見積額だけでは比較できません。英国側の配達、階段料金、梱包、通関補助、保険、保管などが別料金になる会社もあります。
家具・家財一式を送るなら、Sireloのような比較サービスで複数社の見積もりを取り、どこまで料金に含まれているかまで確認してください。
小口配送の料金例|数箱なら国際引越し会社は不要
荷物が数箱なら、家財一式の国際引越しではなく国際宅配を比較します。日本→英国の公開料金例では、PEXGO JAPANが1〜5kgで10,500円から。2026年9月の10kg配送比較例では、船便相当約$63.90、DHL約$96.16、EMS約$210.87という例もあります。
箱サイズ・燃油サーチャージ・集荷場所で価格は変わりますが、「10kgなら必ずEMSが安い」とは限りません。衣類や本だけなら、航空会社の受託手荷物追加料金も含めて比較してください。
| 荷物量 | 目安となる方法 | 料金感 |
|---|---|---|
| 1〜5kg | 国際宅配 | 公開例 10,500円〜 |
| 10kg前後 | 船便・宅配各社比較 | 数十〜200ドル程度の公開例 |
| 数箱〜小規模家財 | 混載便 | 数百〜数千ポンド |
| 1LDK〜家財一式 | 国際引越し会社 | 数千ポンド単位 |
家財一式はいくら見ておく?
日本→英国の大型引越しは個別見積もりが基本で、公開定価はほぼありません。参考になる同一路線の逆方向(英国→日本)の2026年公開相場では、小規模な混載便£900〜£2,500、1ベッドルーム程度£2,500〜£5,000、3ベッドルーム程度£5,000〜£8,000、4ベッドルーム以上£8,000〜£12,000という水準です。
方向が逆なので日本→英国の見積額そのものではありませんが、家具まで送るなら「数百ポンド」ではなく「数千ポンド」が予算の出発点になります。IKEA等で買い直せる安価な家具は、輸送費の方が高くならないか確認してください。
見積もりは総額で比較する
海上運賃だけ安くても、日本側の集荷・梱包、通関、英国側の港湾費用、自宅までの配送、階段作業、保険が別料金なら総額は逆転します。Sireloなどで複数社を比較するときも、最終的なドア・ツー・ドア総額と、何が含まれているかをそろえて比較します。
よくある質問
ToR1の承認前に荷物を発送してもいいですか?
おすすめしません。HMRCは事前承認を推奨しており、有効な承認番号が通関時にないと関税や事務手数料を請求される可能性があります。
イギリスへ永住しない駐在員でもToRを使えますか?
「永住」そのものが条件ではなく、英国を通常の居住地・生活の本拠として移すことが基準です。自分の滞在形態が対象になるかGOV.UKの条件で確認してください。

