海外送金、外貨の受け取り、海外でのカード決済をひとつにまとめたいとき、Wiseはかなり使いやすい選択肢です。日本から海外へ移る前に使い始める人にも、すでに海外で暮らしている人にも利用できます。
ただし、Wiseは「どの国に住んでいても同じ手順・同じ料金」というサービスではありません。登録時には現在の居住国を正しく選び、本人確認書類・カード発行・利用できる入金方法は、その国の条件に従う必要があります。
先に結論:Wiseはこんな人に向いています
| 使いたい場面 | Wiseでできること |
|---|---|
| 日本から海外へお金を移したい | 送金前に為替レート・手数料・受取額を確認して海外送金できる |
| 海外生活を始める | 現地口座が整う前後の資金移動や、複数通貨の管理に使える |
| 海外からお金を受け取りたい | USD・EUR・GBPなど、対応通貨では受取用の口座情報を取得できる |
| 海外でカードを使いたい | 対応国ではWiseデビットカードを発行し、保有通貨や自動両替で決済できる |
ポイント:Wiseは銀行口座の代わりというより、国をまたぐお金の移動・両替・受け取りをまとめるサービスとして使うと分かりやすいです。
Wiseでできること
Wiseの強みは、「海外送金だけ」のサービスではないことです。アカウントを作ると、送金、両替、外貨の保有、対応通貨での受け取り、デビットカード決済を同じ画面で管理できます。
1.海外送金
送金額を入力すると、確定前に適用される為替レート、Wiseの手数料、相手が受け取る金額、着金予定が表示されます。銀行の海外送金と比べると、「結局いくら届くのか」を確認してから送れるのが大きなメリットです。
Wiseはミッドマーケットレートを使用し、為替レートへの上乗せではなく手数料を別に表示しています。日本向け料金ページでは、送金・両替手数料は0.27%〜と案内されていますが、実際の手数料は通貨、金額、入金方法、居住国によって変わります。
2.外貨を保有・両替する
Wiseアカウントでは複数通貨を保有し、必要なタイミングで両替できます。たとえば、日本円をすべて一度にポンドやユーロへ替えるのではなく、必要な分だけ段階的に両替するといった使い方もできます。
Wiseは銀行の「外貨預金口座」と同じものではありません。国や地域によって提供主体や規制、保有上限、利用できる機能が異なります。
3.海外からお金を受け取る
対応している通貨では、自分専用の受取用口座情報を取得できます。たとえばUSD、EUR、GBPなどでは、相手にその口座情報を伝えることで、銀行振込の形で受け取れる場合があります。
利用できる通貨や受取方法は居住国によって異なるため、「どの国でも同じ口座情報を必ず取得できる」と考えない方が安全です。実際に使うときは、Wiseアプリまたはウェブ画面に表示される利用可能な口座情報を確認してください。
4.Wiseデビットカードで支払う
Wiseデビットカードを発行できる国では、アカウント内の残高を使って店舗やオンラインで支払えます。支払う通貨をすでに持っていれば、その通貨残高から決済されます。持っていない場合は、利用可能な残高から両替して支払われます。
カードの発行料金も国によって異なります。例として、日本居住者向けのWiseデビットカードは、2026年10月時点でカード注文1,200円、サブスクリプション料金なし、デジタルカードは無料です。
まず確認:Wiseは「現在住んでいる国」で登録する
Wiseを使い始めるときに最も重要なのが、居住国を正しく設定することです。日本人だから「日本」を選ぶのではなく、登録時点で実際に生活している国を選びます。
| 今いる場所 | 登録時の考え方 |
|---|---|
| まだ日本に住んでいる | 日本の現住所で登録し、日本居住者向けの本人確認を行う |
| すでに海外へ転居した | 現在住んでいる国・海外住所で登録し、その国の本人確認手順に従う |
| 日本から海外へ引越し予定 | 登録・本人確認をする時点の実際の居住状況に合わせる。転居後は住所情報を更新する |
海外居住者が「日本の住所で登録しておけば簡単そう」と日本住所を使うのは避けてください。Wiseは、海外在住の場合は現在住んでいる国の住所を使用するよう案内しています。
Wiseの登録方法
画面の細かな文言はアップデートされますが、登録の流れはシンプルです。特定の国に住んでいる人だけを想定せず、共通部分を押さえておけば迷いにくくなります。
- Wiseの公式サイトまたはアプリを開く
個人利用なら個人アカウントを選びます。 - メールアドレスなどでアカウントを作成する
画面に表示される方法でログイン情報を設定します。 - 現在の居住国を選ぶ
国籍ではなく、実際に住んでいる国を選びます。 - 電話番号など必要な情報を入力する
認証コードが送られた場合は画面に入力します。 - 氏名・生年月日・住所などを入力する
本人確認書類と一致する情報を入力してください。 - 必要になった段階で本人確認を行う
送金、カード注文、残高へのチャージ、口座情報の取得などを行う際に本人確認を求められることがあります。
本人確認は居住国によって違う
以前のWise解説では「マイナンバーカードと紙とペンを用意する」といった日本向け手順だけが紹介されることが多くありました。しかし、海外居住者にはその説明はそのまま当てはまりません。
日本に住んでいる場合
日本居住の日本国籍者について、Wiseは本人確認書類としてマイナンバーカードを推奨しています。ほかに日本の運転免許証、条件を満たす日本のパスポートが利用できる場合があります。
現在は、対応スマートフォンでマイナンバーカードを読み取り、セルフィーを撮影して本人確認する方法も用意されています。そのため、古い解説にある「4桁コードを紙に書いてカードと一緒に撮影する」という手順を前提にしない方がよいです。
2020年2月以降に発行された日本のパスポートは住所欄がないため、日本居住者の本人確認書類としてWiseでは受付対象外と案内されています。実際に表示される本人確認方法を優先してください。
海外に住んでいる場合
海外居住者は、Wiseに現在の海外住所を登録し、その居住国で利用できる本人確認方法に従います。必要書類は国によって異なり、パスポートなどの身分証明書に加えて、住所確認を求められる場合があります。
つまり、「日本人だから日本の本人確認手順を使う」のではなく、日本在住なら日本、英国在住なら英国、フランス在住ならフランスというように、現在の居住地を基準にするのが基本です。
Wiseで海外送金する方法
アカウントを作ったら、送金は次の流れで進めます。自分の日本口座から自分の海外口座へ資金を移す場合も、家族へ送る場合も、基本的な流れは同じです。
- 「送金する」を選ぶ
送る通貨と受け取る通貨を選択します。 - 送金額を入力する
「自分がいくら払うか」または「相手にいくら届けたいか」のどちらかを基準に入力できます。 - 受取人を選ぶ
自分自身、個人、法人など、実際の送金先に合うものを選択します。 - 受取先の情報を入力する
国や通貨に応じて、口座番号、IBAN、Sort Code、Routing Numberなど必要な情報が変わります。 - 送金目的などを入力する
必要に応じて資金源や送金目的などを選びます。 - 手数料・為替レート・受取額・着金予定を確認する
ここで最終的な条件を確認してから進めます。 - 表示された方法でWiseへ入金する
銀行振込、デビットカード、クレジットカードなど、利用できる方法は国・通貨によって異なります。
日本円から送る場合は少し注意
日本国内の住所で登録したWiseアカウントからJPYを送る場合、Wiseは自分名義の銀行口座からの銀行振込、またはデビットカードによる入金を案内しています。第三者名義からの入金はできません。また、日本円のこの送金ルートではクレジットカード入金は利用できません。
一方、他国・他通貨の送金ではクレジットカードなど別の支払い方法が表示される場合があります。したがって、この記事では「Wiseはクレジットカード不可」と一律には考えません。実際の送金画面に表示される方法が、その取引で利用できる方法です。
手数料は「送金手数料」だけでなく最終受取額で比べる
海外送金では、「送金手数料0円」と表示されていても、為替レートに上乗せが含まれている場合があります。そのため比較するときは、手数料の名前ではなく、同じ金額を支払ったときに相手へ最終的にいくら届くかを見るのが基本です。
比較するときに見る4項目
- 適用される為替レート
- Wiseまたは銀行が表示する手数料
- 入金方法による追加コスト
- 受取人へ最終的に届く金額
Wiseは送金前にこれらをかなり分かりやすく表示するので、まずWiseで見積もりを出し、その受取額を銀行やほかの送金サービスと比べる使い方が便利です。
Wiseの送金はどれくらい速い?
送金速度は通貨、支払い方法、銀行営業日、本人確認の有無などによって変わります。したがって「必ず数分」「必ず2営業日以内」といった言い切りはできません。
Wiseが公表した2026年第2四半期の全体データでは、77%の送金が20秒以内、97%が24時間以内に到着しています。ただし、これはWise全体の実績であり、個々の送金を保証する数字ではありません。
実際の送金では、確定前に表示される着金予定日時を見るのが最も確実です。
Wiseデビットカードは必要?
海外旅行や海外生活でカード決済をするなら、Wiseデビットカードは便利です。ただし、Wiseを海外送金だけに使う場合は、カードを発行しなくても問題ありません。
| 使い方 | カード |
|---|---|
| 日本から海外へ送金するだけ | なくてもOK |
| 海外旅行で買い物する | あると便利 |
| 海外生活の最初の決済手段にする | あると便利。ただし現地銀行口座・現地カードも後から整える |
| 複数通貨を持って頻繁に旅行する | 相性がよい |
カードの発行可否・料金・ATM無料枠などは居住国ごとに違います。日本向け条件だけを海外在住者にそのまま当てはめないようにしてください。
Wiseだけで現地銀行口座は不要になる?
基本的には、海外に長く住むなら現地銀行口座も作るのがおすすめです。給与振込、家賃、公共料金、自動引き落とし、クレジットヒストリーなど、現地口座の方が使いやすい場面があるからです。
Wiseは、現地銀行を完全に置き換えるというより、次のような位置づけにすると使いやすくなります。
おすすめの使い分け
Wise:国際送金、外貨両替、複数通貨の受け取り、渡航直後や旅行中の決済
現地銀行:給与、家賃、公共料金、長期の生活費管理、その国独自の銀行サービス
よくある質問
日本にいるうちにWiseを作った方がいい?
まだ日本に居住しているなら、日本住所で本人確認まで進めておく選択肢があります。ただし、すでに海外へ転居した後は、現在住んでいる国の住所を登録してください。
海外在住でもWiseを作れる?
Wiseのサービス対象国であれば可能です。登録時には日本ではなく現在の居住国を選び、その国で求められる本人確認を行います。
Wiseは無料?
個人のWiseアカウント開設自体は無料です。一方、送金や両替には手数料がかかり、カード発行にも国によって料金がかかる場合があります。「Wiseは完全無料」ではなく、使った機能に応じて料金が発生するサービスと考えるのが正確です。
Wiseはいつ作るのがいい?
海外送金や外貨受け取りを使う予定があるなら、実際に大きなお金を動かす直前ではなく、少し余裕のある時期にアカウント作成と本人確認を済ませておくとスムーズです。
まとめ:Wiseは「海外生活のお金の中継地点」として使うと便利
Wiseの良さは、特定の国に移住する人だけに向いたサービスではありません。日本から海外へ送る、海外から受け取る、複数通貨を両替する、旅行や海外生活でカードを使う、といった国境をまたぐお金の動きをひとつのアカウントで管理できます。
一方で、登録方法・本人確認・カード・入金方法は居住国によって変わります。まず現在の居住国を正しく設定し、実際の画面に表示される条件を確認しながら進めれば大丈夫です。


